マイマ ハーリス

【今日の1枚】配属先の市役所の玄関から見える景色

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いつも気づいたらヤギか羊が敷地内をウロウロしとる。

 

さっき帰宅したら家の中を鳥が1羽飛んでいた。ひぇ~、こっちは暑くてヘトヘトなのに。
20分ほどかけて外に出すことができた。もう迷い込んで来るなよ~!
それにしても、一体どこから入ったんやろう・・・・

 

日々、ガクッと肩を落としてまた立ち直っての繰り返し。それでも自分で立ち上がった事は褒めてあげたい。。

と言いたいところやけど、結局のところ周りの人に励まされて、なんとかまた前を向いてる。皆本当にありがとう。

 

この前、西アフリカの他の国で活動する仲間の一言にすごく勇気をもらった。
「最近、何を言うにも自信がないし、億劫になっとる・・・」ということを言うと、
「どんどん伝えてかなきゃだめだよ!今ブランジェリー(パン屋)にいるんだけど、大事な日本の家族に電話するってことで、店内の音楽止めてもらってるから!!!!」

さすがです。

「これって普通じゃないの?」って。私も今の感覚ではもう何が普通か分かりません。笑


けどこの話を聞いて、ダメ元でも何でも言ってみれば案外なんとかなるもんなんやと思った。別にだめならだめでまた考えれば良い。
分かっとったはずなんに、最近ちょっと臆病やったなぁ。

 

「マイマ ハーリス」(お金ちょうだい)」

「マイマ コ」(それちょうだい」)

ここ1ヵ月、私を悩ませてきた言葉。

 

今日、1つアイダと話していてすっきりしたことがある。
セネガルに来て、ずっとモヤモヤしている要因「お金ちょうだい、それちょうだい。」

テイラーで仕立ててもらったセネガル布のワンピースを着ていると、皆「かわいい」とほめてくれるが、高確率でそのあとに「それちょうだい」の言葉が続く。私はいつも「やだよ~」
って答えるけど、そしたら「何で?」って聞いてくる。何で?に何で?と返して無限ループ。
 
今日アイダが教えてくれた。『「可愛いね、の後に続くそれちょうだい」は、相手と関係を築いていきたくて発する言葉やよ。特に初対面とか、面識の浅い人同士やと尚更!やから、返事は『うん、後でね!また今度!』って答えておけば良い。これがセネガルの文化!』

なるほど。今までノーと答え続けていたから、たまにはイエスと言ってみればいいのか。また今度ね、で、最後に魔法の言葉インシャアッラーをつけておけば良いのか。ほうほう。

 

帰り道


おばちゃん「そのローブ(ワンピースのこと)かわいいね!ちょうだい!」


キタキタキタ、早速実践。


ビンタ「オッケー、また今度ね!」
おばちゃん「今度っていつ?」
ビンタ「・・・・2年後?笑」
おばちゃん「ハァ~~~ッ!2年後!洗いすぎてボロボロなっとるやん!」
ビンタ「笑」

結構本気で欲しがっていた。
やっぱりお金ちょうだい、ものちょうだいは本気で言ってくる人もいれば、冗談で言ってくる人もいる。
それでも、その言葉にも意味がある時があると思うと、少し気持ちが楽になった。
(そういえばこの前通りすがりのおじちゃんがそのローブちょうだいって言って来たな・・)


ここ最近は心に余裕が無くて、お金ちょうだい、それちょうだいや、高いお金を請求してこようとする人に対して嫌悪感を抱いたし、自分は1人の日本人としてじゃなくて、金持ちの外国人としてしか見られていないんかな、とか、マイナスなことばかり考えていた。

けど、やっと客観的に今の状況を見れるようになった。


セネガル人はあれちょうだいこれちょうだいって、他力本願や!」と言ってしまった自分が、ものすごく愚かだったことに気づいた。
私はお金をちょうだいって言葉が出てくる環境で今まで暮らしたことがない。どんな気持ちでその言葉を発しているのか、何でそういう言葉が出てくるのか考えられていなかった。


セネガル人はおしゃれで、身なりにもすごく気を使うから、一見貧しそうには見えない。食にも困っている様子はない。やから、彼らからは想像していたアフリカの「貧しさ」を感じていなかった。でも、少しずつ見えてきたセネガルの現実…。


セネガルは過去、ヨーロッパ諸国の植民地時代を経験している。奴隷貿易も盛んに行われていた。

独立し、ようやく「自由」を手に入れたセネガルは、今度は色んな国から膨大な支援を受けた。 


「与えられること」に慣れてしまっている人々にとっては、お金も物もくれない私のような人間は不思議で仕方がないと思う。今までずっとそうだったのに、何で?何しに来たの?ってそりゃあ思うやろう。


周りがそうさせてしまったのだから。


自分で立ち上がって、自分たちの力だけでは生きていけるほど、この国はまだまだ豊かでもない。経済的にも、教育の面でも。

 

果てしなく、でっかい問題が山積みだという現実をようやく身近に感じた。


この国で「私は不幸や」と嘆く人にまだ出会ったことがない。
「お金がなくて生活大変よ~」とか、「朝から晩まで働いてクッタクタやけど、これが俺の人生や」と。


「しょうがない、これが人生や」と言いながらも、皆毎日泣いて笑って怒って、明るく生きてる。この明るい国民性、良い方向に向かっていければ可能性は十分あるんじゃないかなって思う。

 

今は「お金ちょうだい」と言っている人たち、2年間の間に何か自分の持っているものを伝えられた良いなぁ。

ほんで、「~教えて!」と駆け寄って来てくれる日が来ると良いな。

 

嫌な思いをすることも、落ち込むことも、ひろーい家で一人ぼっち、孤独を感じることも、言葉の壁に涙が出ることもあるけど、今日はパンがおいしい、ラッキーとガッツポーズできる日もある。


これから2年間、喜怒哀楽、激しめにいくことになりそうやけど、心に余裕をもって生きたいなぁ!

 

【今日の小さなガッツポーズ】
・布屋さんで布を買ったらおつりがないからと、100FCFAまけてくれた。ラッキー!
・お昼ご飯は、配属先でマフェを食べれた。
・帰り道、最近よく話す家族と今日もお話。
・最近「シノア(中国人)、チュバブ(白人)」に交じって、「ジャポネー!」と遠くから叫ぶ声が聞こえる。毎日「シノアじゃねぇ、ジャポネや!」と言っている甲斐がある。